reportマイスターの研究レポート

脱脂の重要性!

先日弊社とはお取引のない、とあるコーティングメーカーの方が営業でいらっしゃいました。

 

弊社コーティング剤はオリジナル商品がほとんどのため、コーティング剤の営業ではなくそれ以外の商品のご説明でしたが、話題は今多くのユーザー様が直面されている問題、“水染み”についてでしたが、

「先日もディーラー施工でコーティングをなされ、わずか3か月で多量の水染みの餌食になられた車の補修をした・・・」

とお話していると、

「そのコーティング剤弊社のコーティング剤で、施工されたのも地区代表店のお店で、そのエリアでは一番老舗といわれているところです。」

「最近このお店での施工車両の水染みクレームが、メーカに対して非常に多いのです・・・」

とのことですが、

「なぜ?」

「確かにコーティング剤は撥水タイプですので、水染みができやすいということがありますが、問題はコーティング剤ではなく、脱脂の方法です。」

「そのお店どんな方法で脱脂いているのですか?」

シリコンオフをクロスに含ませ拭いているだけです・・・」

大概の施工店はこの方法で脱脂と言っています。

 

しかし、実際にはシリコンオフでは完全な脱脂は無理

コンパウンドの油脂はある程度分解はできても、コンパウンドに含まれる乳化剤等の混和剤はほとんどそのままとなってしまいます。

つまり脱脂ができていない・・・

 

さらに今、市販されている多くのシリカ系コーティング剤はVOCフリーといい、キシレン等が含まれない環境にはいいですが、弱い溶剤となっています。

このような弱い溶剤のコーティング剤は、脱脂できずに残っている不純物を全く溶かすことができないため、コーティングがきちんと製膜できていない状態、はじかれているか乗っかっているだけとなります。

そしてこの不純物が水染みを呼び込む最大の理由となってしまいます・・・

 

本来の脱脂とは、まずは水洗いを行い、そこに水溶性アルコールを含む脱脂剤を塗りこみ、また更にその脱脂剤をスポンジで手洗いで洗い流す!

ここまでやってやっと脱脂ができるほど、コンパウンドに含まれる油脂や混和剤は膜性が強力です。

 

よく、

「うちは水性コンパウンドだから脱脂はほとんど必要ない!」

とか、

「コーティングがキシレン入りだから、不純物はコーティング作業で溶けるから必要ない!」

などを理由としているところもあるそうですが、これ単なる言い訳・・・

水性コンパウンドでも、油脂分は少なくとも、混和剤は関係ない!

キシレン入りコーティング剤で付着している不純物が溶けたとしても、それが蒸発するわけではないのでそれらを巻き込みコーティングが製膜するのですから、

艶も損なわれますし、

分子結合もしくは架橋結合はできない“できそこないのコーティング被膜”としかなりえません!

 

どうしてこのようなことになる可能性が高いのに、それでもきちんとした脱脂方法をとらないのか?

理由は簡単!

  1. 面倒くさい。
  2. 時間がかかる。
  3. 由って利益率が悪くなる。
  4. しかも水性脱脂剤は高い。
  5. きちんとした脱脂は、コンパウンドが隠していた傷をさらけ出してしまう。
  6. 脱脂作業で傷を入れるリスクが増える。

実際洗車脱脂の作業で1時間はかかります、さらにはきちんと水分の拭き上げをしなければならず水分除去は2時間近くかかります。

この拭き上げ作業を手を抜くと、コーティング剤と水分が反応して白濁してしまうリスクもあります。

 

最近では、GSなどで主に展開するコーティングなどは低価格しかも短時間であれば2時間施工や日帰り施工などを謳い文句としているらしいですが、これでまともなコーティングになり得るのか?

安かろう、悪かろうの典型でしょう!

 

ただし、高額な施工料金のプロショップでさえまともな脱脂を行っていないところが5割以上だとか?

確かに、弊社と多少の関係のあるプロショップに脱脂方法を尋ねてみても、

「シリコンオフで拭くだけですよ!」

「洗車脱脂なんて必要なの?」

と、いうお店がほとんどです。

わざと手を抜いているわけではなく、そもそも知らない・・・

これが現在のコーティング業界の現状!

 

コーティング依頼される際には、

どのような脱脂方法を行っているかをきちんと確認してから依頼しましょう。

 

シリカ・シリカ系問わず、ガラス系コーティング剤であればシリコンオフ脱脂ではまともなコーティングにはなりえません!

まともな脱脂方法を行わないのなら、ポリマーのほうがましですよ。


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