reportマイスターの研究レポート

鉄粉付着の脅威・・・

皆さんのお乗りになられているお車、多かれ少なかれの程度問題はあるにしても、

100%鉄粉が付着しています・・・

濃色車にお乗りの方ですと、視覚的には全く分からないかもしれませんが、

車庫保管車だとしても確実に附着は有ります

煙草の包装用セロハンに指を入れて擦ってみて、ざらつきを感じたとすれば、

それはほぼ鉄粉と思って良いでしょう。

 

淡色車ですと、黄色の点状の付着物が目立つことで判りますが、この様にはっきり色で確認できるようなものがある場合は、

細かなものまで入れればその数百倍、酷い場合は数千倍も実際には付着しています・・・

鉄粉と言っていますが、現実にはすべての鉄粉がFeではなく、

酸化可能な金属を含む付着物を総称して鉄粉と言われています。

 

では、どのようなものが鉄粉としてボディに付着してくるのか?

  1. 線路から出るレールや車輪の削り粉。
  2. ブレーキのローターやパッドの削り粉。
  3. タイヤチェーンや除雪車のブレードの削り粉。
  4. 工場や焼却炉から出る煤煙の一部。
  5. 黄砂に含まれる金属粉。
  6. 野焼きや焚火等でもに含まれている場合もあります。
  7. 融雪用の地下水
  8. 主にディーゼルエンジンから排出される排気ガスにも、化学変化により鉄粉になるものもあります。

つまり、程度問題は地域により相当違ってきますが、この1~9の脅威から完全に逃れられる場所は、

外気から完全にシャットアウトされていない限り逃れることはできません・・・

そして車は、電気を使用しているために車体が静電気を帯びています

つまり多くの浮遊している鉄粉は、静電気により車に引き寄せられてしまうのです・・・

ボディがFRP・カーボン・アルミなどの場合は、スチールボディに較べればましかもしれませんが、静電気が無い訳ではありません。

 

 

では、付着した鉄粉がどうして問題なのか?

  1. 金属ですので酸化していきます。
  2. 酸化はその鉄粉だけに限らず、付着した周囲の物すら酸化していきます。
  3. 周囲を酸化しながら、内部に深く食い込んでいこうとします。
  4. 結果酸化し切れば、そこに針でつついたようなピンホールが出来てしまいます。
  5. 一度ピンホールが出来てしまうと、其処から更にコーティングや塗装の劣化や酸化が広がります。
  6. 更には、最悪金属下地にまで酸化が進み、ボディの腐食という事にもなりかねません。

この様な段階を経て、車を傷めていってしまいますので、鉄粉付着の放置は大切なお車を傷めてしまう、大きなリスクなのです・・・

 

鉄粉除去の施工方法は?

  1. 鉄粉クリーナーを使用して溶かして除去を行なう。
  2. トラップ粘土を使用して絡め取って除去する。

の2通りが主な方法となりますが、

2のトラップ粘土での除去は全体をこれで行ってしまうとボディは傷だらけになってしまいます・・・

どれだけ良い粘土を使用しても、小まめに折り返しをしたとしても、

あまり効果は無いでしょう。

その為弊社では、面をトラップ粘土で施工することはいたしません

また結構リブなどに入り込んでいる鉄粉は多いのですが、

このような狭所ではトラップ粘土では除去はできません

 

かといって、1の鉄粉クリナーなら良いのか?

と言うと、コーティングの未施工車両であれば、施工方法さえきちんと守った上での施工であればまず問題は起きません

コーティング施工車両の場合は、

施行されているコーティングが最悪溶けてなくなるというリスクがあります・・・

鉄粉クリナーは、PHも酸性の物からアルカリ性のものまでPHもまちまちですし、その溶解成分の主原料も様々です。

その為、施工されているコーティングと鉄粉クリナーの、

相性が確認できなければ危険ですが、これは市販の鉄粉クリーナーメーカーに問い合わせても、確認はできません・・・

基本的には、

施工されているコーティングメーカーが専用品として製造しているものでなければ、

危険の回避は難しいでしょう。

 

 

鉄粉付着をどう手入れすればいいのか?

  1. DIYにて鉄粉除去を行なう。
  2. 専門店に依頼する。

となりますが、1のDIYの場合は上記したように、

コーティング未施工車であれば市販品でもさほどリスクはありませんが、

問題は作業環境が整っていることが必要です!

直射日光にさらされない屋根がある。

常に流水や高圧スプレーが使用 可能である。

は、最低条件として必要です。

洗車場等での施工は非常に危険です・・・

コーティング施工車両の場合となるとかなり厄介です。

上記したように、施工されているコーティングと、

鉄粉クリナーの相性は市販品では確かめようがないため博打となり、施工後どの様な事態に至るかは予想が付きません・・・

施行されたコーティングの施行店さんから、

専用の鉄粉クリナーを販売して頂けるのであれば可能ですが、

上記したように作業環境の確保と施工手順を確実に守ることは絶対条件となります。

 

2の専門店でのご依頼ですが、これもコーティング未施工車であればよほど酷いお店などに御依頼しない限りは問題ないでしょう!

然し、コーティング施工車両の場合は、DIYでの施工と同じで、そのコーティングを施行された店舗以外では、

コーティングと鉄粉クリナーとの相性の確認は不可能です・・・

ですので、コーティング施工車両での鉄粉クリナー作業は、

コーティングを施行された店舗にご依頼されるのがベストです!

 

 

では、鉄粉除去のタイミングはいつがいいのか?

  1. 降雪の終わった
  2. 降雪の始まる前の初冬

が、一般的タイミングとなります。

但し、1にするか?

2にするか?

は、お車の状態によるでしょう。

冬前の段階においてすでに鉄粉の付着が結構確認できている場合(黄色く付着確認ができる)には、この状態で一冬越してしまえば、

すでに附着している鉄粉はエンカル等の影響で加速度的に一気に酸化して行ってしまいますので、この様なお車は初冬の降雪前に行ったほうが良いでしょう!

この段階で鉄粉付着が確認できない場合には、

春を待ってからの施工のほうが良いでしょう。

但し、環境的なことや、管理状態が良好で、さしたる鉄粉の付着が見受けられない場合は、

あえて行う必要はないでしょう!

 

 

コーティング施工車両の場合は、

あまり頻繁に鉄粉クリナーを施行することも問題です・・・

と言うのは、いくら施工されているコーティングの専用鉄粉クリーナーでも、

コーティングに対しては相当ストレスとはなります。

恐らく、コーティング自体の寿命や機能性は、

1回作業を行うごとに10%位ずつ低下していくでしょう・・・

 

ですので、いかに鉄粉付着を防ぎ進行を食い止めるか?

が、大切となりますが、これは日々のオーナー様の管理に掛かってきます。

一番確かなのは、乗らずに車庫保管ですが、これでは車の意味を成しませんので、できる限り車庫環境を整えて頂く

そして、

こまめに高圧スプレーで丁寧に圧力で鉄粉が流されるように洗っていただくことですが、この際洗車場などで1コイン程度の時間では全く不足です・・・

3コイン程度は必要でしょう。

その際、面だけではなくリブの部分にもきっりりスプレーをかけてください、入り込んでいる鉄粉が結構あることに驚かされるでしょう!

コーティング施行車両では、スプレーノズルは30cm以内には近づけないでください、圧力で施工されているコーティングが割れたり剥離したりする危険があります・・・

 

この作業をきっちりやられたのち、手洗い洗車なり洗車機なりで洗ってください

特に手洗いの場合は、事前のスプレーを行わず手洗いをしてしまいますと、

付着が弱い鉄粉はスポンジ等に引きずられ傷を入れることになりますので・・・

まだ洗車機の場合鉄粉を引きずるリスクは低いですが、リスクが0という訳ではありません。

既に、洗車機に鉄粉が絡みつている可能性もありますし・・・

 

この様に、こまめにきちんとした洗車を繰り返すことで、

相当鉄粉付着は防げるはずです!


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